
70sスタジャンをハサミでベスト化!?古着サミット14の攻めたDIYリメイク談義
ニュース要約
国内古着カルチャーを支える内田斉さん、今野智弘さん、栗原道彦さん、阿部孝史さんが集う勉強会「古着サミット14」。今回は今野さんが持ち寄った3つのアイテムを軸に、古着の楽しみ方や歴史が語られました。
1つめは70〜80年代のスタジャンをベストにリメイクしたもの。革の袖がボロボロだったため自分でハサミで切り落とし、肩のラインを整えた一点物です。スタジャンにありがちな「クリーニング問題」への実用的な工夫でもあります。
2つめは弾薬ブランド〈ウィンチェスター〉の薬莢回収袋を使ったDIYベスト、3つめは米軍寒冷地パーカ「ECWCS」のGORE-TEX試作サンプル。〈マーモット〉や〈レイヴン〉が関わった開発秘話まで掘り下げられ、資料的価値の高い発見として盛り上がりました。
このニュースを解説
スタジャンの袖をハサミで切ってベストにしたって、なんかすごいことしてない?もったいなくないの?
それがね、けっこう理にかなってるんだよ。古いスタジャンって、ウールの身頃はまだ元気なのに、革の袖だけバキバキに硬くなって表面が剥がれちゃうことがよくあるんだ。
もう修理も難しいってなったら、いっそ袖を落としてベストにするっていうのは古着好きの発想として全然アリ。今野さんは切ったあと直しに出して、肩のラインまできれいに整えてもらってるんだよ。
へー!でも切ったら肩のとこが変にならない?素人がやっても大丈夫なのかな。
そこがポイントで、スタジャンの袖って独特の付け方をしてるから、ただ切っただけだと肩口がボコッと横に浮いちゃうんだよね。だから今野さんはプロに肩の傾斜を落としてもらってる。
つまり「切る」だけじゃなくて「整える」まででワンセット。自分でやるなら、まずは古着ならではのシルエットの構造を知っておくと失敗しにくいよ。
ところでスタジャンって、そんなに手入れが大変なもんなの?
これがけっこう厄介でね。革と布のコンビだから、クリーニングに出すと1万円くらいかかることもあるし、革が縮んだり傷んだりするリスクもあるんだ。
しかも昔のスタジャンの革って、そもそもそんなに上質じゃないものも多い。だから前の持ち主が普通に洗濯機で洗っちゃって、余計に革が傷んだりもする。袖を落として洗えるようにするのは、そういう悩みへの一つの答えなんだよね。
話に出てきた「ナウガモンスター」ってなに?モンスターのぬいぐるみ?
面白いでしょ。ナウガハイドっていう、60年代に広まったビニールレザー(合成皮革)があって、その販促キャラがナウガモンスターっていうぬいぐるみなんだ。
当時セールスマンがこのぬいぐるみにわざとケチャップやマスタードをかけて、「サッと拭くだけでこんなにキレイ!」って実演してたんだって。汚れに強い素材だよってアピールね。ただ経年でベタベタになりやすいから、そこは古着では注意ポイントだよ。
2つめの、弾薬メーカーの袋で作ったベストってのも気になる。そんなの需要あるの?
これがめちゃくちゃ評価高いジャンルなんだ。〈ウィンチェスター〉っていう有名な弾薬ブランドの、薬莢を回収する丈夫なキャンバス袋を、当時のハンターが自分で解体してベストに仕立て直した一点物なんだよね。
アメリカには小麦粉や飼料の袋を縫い直して服にする「フィードサック」っていう文化があって、これはそのハンティング版。ワンオフ(=世界に一つだけの手作り)ってことで、海外のコレクターからも人気で、最近は元の袋自体が高騰してるくらいなんだ。
自分で作るキットの服とかもあったって言ってたよね。そんなの売ってたんだ?
そうそう、〈フロストライン〉とか〈ホルバー〉みたいなアウトドアブランドが、70年代あたりに生地と型紙のキットを売ってたんだよ。買った人が説明書を見ながら自分でダウンやパーカを縫うんだ。
だから同じ型でも作った人によって仕上がりがバラバラで、デニムのパッチワークで作られたダウンとか個性的な個体が出てくる。当時のヒッピー文化の「なるべく自分の手で作る」って精神が背景にあるんだよね。
最後のGORE-TEXの軍パーカが一番の目玉っぽかったけど、そんなにすごいの?
これは資料としてかなりの発見なんだよ。米軍の寒冷地被服「ECWCS」のGORE-TEXパーカには、実は正式採用される前の試作サンプルが存在するんだ。開発には〈マーモット〉や〈レイヴン〉ってブランドが関わってた。
今野さんが持ってた試作品は、ボタンがむき出しだったり、腕のポケットが左じゃなく右に付いてたりと、量産版と細部が違う。色も極地の着用試験用に明るいグリーンだったって記録もあって、まさに試行錯誤の跡が残ってるんだよね。
でもそんな貴重なもの、普通に安く売られてたりしたって言ってたよね。見分けられるようになりたいなあ。
そこが古着の面白いところで、価値を知らないと普通の民生品パーカとして安く並んでたりするんだよ。前立てのボタンの出方、ポケットの位置、タグの形、色のトーンっていう小さな違いが、年代やレア度を教えてくれるんだ。
今日の話を知っておくと、古着屋でスタジャンやミリタリーを見る目が一気に変わるはず。「これ袖切ってベストにできそう」とか「このパーカ、色明るいけど何だろ?」って一着ずつ物語を想像できるようになる。そうなると古着屋巡りが宝探しみたいに楽しくなるから、ぜひディテールに注目してみてね!







































